PtoP 産地情報

東ティモール豪雨災害について(4月8日)

4月7日付の国連の報告は、今回の豪雨災害によって死亡が確認された方は29人に増え、依然として13人が行方不明であると伝えています。また、被害が一番大きい首都のディリでは、18の避難所が開設され、約10,000人(2,375世帯)が避難しているほかに、女性や子どもを多数含む多くの市民がインフォーマルな避難場所に身を寄せていとも報告されています(注)。APLAでは、今回の豪雨災害による被災者に対する緊急支援へのご協力をお願いしています。詳細は こちら をご覧ください。


ディリ市内に事務所を構えるオルター・トレード・ティモール社(ATT)やAPLAの協力団体であるPermatil(パーマティル)は幸いにも洪水の被害を受けることはありませんでしたが、スタッフの中には自宅が浸水してしまい家財道具や日用品に大きな被害を受けている人が複数いる状況です。

なお、停電で連絡がつかなかったエルメラ県在住のATTスタッフとも7日の時点で連絡がつきました。雨が止んだため7日・8日と県内のコーヒー生産者グループの安否確認のために各地域をまわったところ、今回の豪雨で深刻な被害を受けた生産者グループはいないとのこと。関係者一同ほっとしています。

とはいえ、被害が大きかったディリに親族や知人がいるコーヒー生産者も多く、COVID-19によるロックダウンと豪雨による道路の寸断で訪問することもできずに心配しているという声が多く聞こえてきます。また、強い雨風によりコミュニティへの水路が破壊されるなどの小さな被害は様々なところで出ているようで、地域の中で助け合いながら修繕が進められているそうです。


引き続き、被害状況についての情報収集を続け、今後に向けてどのような形な支援活動が必要か・可能かを検討していきたいと考えています。

【バランゴンバナナにこの道具あり】バナナ箱糊付けマシン

バランゴンバナナを箱詰めするパッキングセンターを訪れると、観覧車を1m四方に縮小したような木製の道具があります。一見何に使うの?と思いますが、バナナを詰める箱を組み立てて糊付けするためのマシンなのです。使い方はいたって簡単。組み立てたダンボールの底をクルクル回る板に固定して糊付けし、左右についているストッパーで押さえます。マシンを回して次のセットで同じ作業をする……。1箱ごとに回しながら5箱作って、一巡して戻ってくると糊がくっついて箱ができあがっているというもの。

この道具の故郷はバナナプランテーションがあるミンダナオ島。最初は4箱組み立てられるミンダナオ版を使っていましたが、その後ネグロス島で5箱作れるように改造したそうです。このマシンに出会う前は、糊を塗った箱の上に重い石を載せて乾くまで置いていましたが、これには場所と時間が必要です。この道具を導入したことでかなりのスピードアップになったそう。


実際に動かしているところを見ると、よくできているなぁと感心してしまいます。まさにバナナにこの道具あり!です。

【チョコレートにこの道具あり】カカオ発酵箱

チョコレート原料のカカオ豆は発酵させると苦みが薄れ、香りが増すので、いかに上手く発酵させるかが美味しいチョコレート作りの要と言って良いでしょう。

発酵工程は大体5日~7日かけますが、この時に使うのがカカオの生豆を収納する木箱です。インドネシアでは小規模なカカオ生産者が使っている木箱は、カカオ豆を最大40キロ程度入れられます。発酵ではどんな微生物が活躍するかが発酵の良し悪しを左右するので、発酵箱に住み着く微生物や発酵条件など研究課題がたくさんあります。バナナの葉の裏にある乳酸菌が発酵に良いということで、バナナの葉を箱に敷き詰める生産者もいます。

ところで、この発酵作業を生産者に徹底するのはそれほど容易いことではありません。生産者はカカオ豆を早く現金化したいので発酵工程をすっ飛ばして、すぐに乾燥に回したくなるのです。買付のときに発酵度合いを味と豆の色でチェックし、発酵が良くできている豆はプレミアム価をつけたりしながら、発酵に向けた生産者の意識を高める努力を続けています。

【バランゴンバナナにこの道具あり】デリーフィングナイフ(De-leafing knife)

バナナに発生する代表的な病気にシガトカ病があります。葉が黄色くなり、放っておくと他の葉にも拡がり、光合成が阻害され、収穫量が減少してしまう病気です。雨季に多く発生するので、毎年、日本の秋頃にバランゴンバナナの収穫量が落ちる要因の1つでもあります。

慣行栽培では防除のために農薬(殺菌剤)の噴霧、時には空中散布が行われます。また有機JASで使用が認められているボルドー液はシガトカ病に効果があると言われていますが、バランゴンバナナは化学合成農薬を使用しないため、それも使えません。

そこで活躍するのが、竹竿の先端に鎌を取り付けたデリーフィングナイフです。バランゴンバナナは一般のバナナに比べて背が高いため、これを使ってシガトカ病に感染した葉を地道に切り落としていきます。切り落とす際も、葉に蓄えられていた水分や栄養分を最後まで活用するために、葉脈の中心部分を残して切り落とします。作業を見ていると、気持ちのいい切れ味で、刃がよく研がれていることがわかります。この道具を使ってバナナを収穫する生産者もいるほどです。

【チョコレートにこの道具あり】パラン(大ナタ)

インドネシア・パプア州の山間部で必ず目にする光景は、大ナタ一本を手に森で採取した収穫物を担ぎながら家路に向かう人びとの姿です。日本の皆さんがスーパーマーケットに買い物に行くように、パプアの先住民族は森で食材を調達します。

大ナタのことをパプアでは「パラン」と呼びます。食べ物を採取したり、猟で仕留めた獲物をさばいたり、家財道具を作ったり、と生活に必要な作業の大半はパランを使って行います。カカオの栽培・収穫に使う道具もパラン一本のみ。下草刈りや木の剪定をしながらカカオを育て、赤や黄色の大きな実(カカオポッド)を収穫し、その実を手のひらにのせパランで切れ目を入れて中の種(カカオ豆)を取り出します。パランがポッドに深く入り過ぎると種を切ってしまうので、パランを振り落とす力を微妙に調整しなければなりません。でもそこは皆とても上手く、小さな子どもでもパランを巧みに使いこなします。

種々雑多な道具に囲まれている消費大国の私たちにとってパプアの人びとがパラン一本で日々暮らしを営むことができる能力は感嘆に値します。

見た目はいまいち、でも味わい深いおいしいバナナ

APLA SHOPで販売しているバナナはバランゴンという種類のバナナで、フィリピンに自生しているバナナです。バランゴンバナナは、農薬や化学肥料に頼らず栽培され、収穫後も防カビ剤や防腐剤を使わないので安心して食べられます。食べると自然の香りと甘みが口に広がるおいしいバナナですが、おいしいバナナだからこそ人間だけでなく虫たちにも人気なんです。


バナナをねらう虫、何だと思いますか?日本でもよく見かける身近な虫です。
実は蟻(アリ)なんです。

日本だと地中に巣をつくるのが普通ですが、フィリピンでは木の上に巣をつくるアリもいます。バランゴンは農薬を使わずに栽培されているので、アリもきっと居心地がいいのでしょう。皮に傷がつくだけで、果実には全く影響はありません!バナナを食べているわけではないようです。

こちらのバナナには、虫食い跡も見られます。これは、バナナがまだ小さかったときにかじられてしまったものと思われます。果実には影響ないものの、見た目がよくないので、産地で廃棄対象になっています。中身は影響がないのにもったいないことです。

おいしいものに虫はつきものです。虫がつかないようにするのに手っ取り早いのは防虫剤などを使うことですが、安心して食べてもらえるようにそういったものは使いません。農薬などと使わずに、虫への対処をして、きれいなバナナをつくるために大変な努力がされているのです。

そのような背景をもつバランゴンバナナ。おいしく食べながら、私たちの手に届くまでのストーリーを感じていただければうれしいです。(ATJバナナ担当Mより)

おいしくて安心なバナナなのですが、寒い時期は日本ではバナナの注文数が伸び悩み、余り気味になってしまいます。そのため現在、産地での出荷制限をしているような状況なのです。

バナナはそのまま食べるだけでなく、お菓子、スムージーなど様々なものに使えます。ぜひお試しください。

《四半世紀を超えてバランゴンバナナを作り続けている生産者たちについて詳しくはウェブサイトでどうぞ》

【再出発を果たしたペルーのコーヒー生産者】

世界遺産で有名なマチュピチュから車で1時間半ほど行ったところにあるキジャバンバを中心に活動するコーヒー生産者農業協同組合(通称COCLA)。その中でも古参の単協であるチャウピマヨ生産者組合は、標高1200~1800mに位置するコーヒー畑でティピカ種、カティモール種に加えてブルボン種も栽培しており、多くの組合員がオーガニック栽培を行っています。

50年近くコーヒー生産を行っていく中で、様々な試練がありました。その一つがさび病です。コーヒーがさび病にかかると、落葉し、花も実もつかなくなり3年もすると木が枯れてしまいます。実際に2013年には前年の半分にまで収穫量が落ちてしまいました。

さび病被害、国際価格の下落などでコーヒー生産者の暮らしを取り巻く環境が厳しくなる中、より多くの収入を得られる換金作物に転換したり、出稼ぎのため住み慣れた土地を離れたりして、コーヒー生産をやめる生産者も見られるようになりました。

そのような厳しい中で、病害に強い品種への転換、品質改善などに取り組み、コーヒー生産をなんとか継続させようと努力している生産者も少なくありません。また、スペシャリティコーヒーづくりに挑戦したり、コーヒー以外の収入源を確保しながらコーヒー生産を続けるなど、状況の変化に対応していこうとしています。
コーヒー ペルー 有機 有機JAS

《コーヒー生産者の奮闘について詳しくはウェブサイトでどうぞ》

【マスコバド製糖工場を支える技術者】アイクさん

フランシスコ・モスクエラ(通称アイク)さんがマスコバドの製糖工場(ATMC)に入社したのは2005年のこと。それまではネグロス島内の大規模な製糖工場で働いていました。

サトウキビのジュースを絞り、煮詰めてマスコバド糖に加工する工場の技術者として、毎日の製造だけでなく、設備そのもののメンテナンスから開発・製作まで担っているアイクさん。

2017年3月、アイクさんはATMC工場長のスティーブさんと一緒に、奄美大島群島のひとつである喜界島を訪問しました。喜界島の砂糖の製造方法や製糖工場の製造設備を実際に見学して、マスコバド糖工場の改善に生かすための視察でした。

前年の2016年、喜界島のサトウキビ生産者であり製糖工場の技術者でもある島村克広さんをはじめとした製糖技術者の方々が、ATMCの製造効率や品質改善の協力のためにネグロス島を訪問されて以来、二つの砂糖の島の交流が始まっています。


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【オリーブオイル生産のために働く】パレスチナのイッサさん

パレスチナ農業復興委員会(PARC)が設立したフェアトレード事業会社(アルリーフ社)の副社長を務めるイッサ・シャトラさん。イエス・キリストの生誕地、ベツレヘム出身のクリスチャンであるイッサさんは、高校生のときにPARCのボランティアとして活動を始め、PARCの奨学金を得てフランスの大学で農学を学びました。以来、さまざまな形でオリーブを生産するパレスチナ農民のために働いてきました。

イスラエル占領下にあるパレスチナ西岸地区において、農業が経済活動に占める位置は高く、オリーブは主要作物です。1990年代よりPARCは農民への技術指導や搾油・保管施設の改善を通して、付加価値の高いエキストラバージン・オリーブオイルを生産し、欧米のフェアトレード市場に向けて輸出してきました。しかし、知名度が低いパレスチナのオリーブオイルの市場開拓は容易なものではありませんでした。イッサさんはイタリアやスペインといった「オリーブオイル先進国」の事情を勉強して、品質を保証する制度や仕組みの必要性を痛感しました。


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【ラオスのコーヒー生産者】ノンルワン村のジョンさん

ラオス南部、ボラベン高原に位置するパクソンから南下するとたどり着く村、ノンルワン。同村出身の女性と出会って恋に落ちて結婚し、軍隊を退役してコーヒー栽培を営んでいるジョンさんは、ATJの現地パートナー団体ジャイコーヒー生産者協同組合(JCFC)の理念に共感し、筋トレや匍匐前進とは無縁の、自然に寄り添ったコーヒーを作り続けてきた一人です。

訪問するといつも嬉しそうに案内してくれるジョンさんのコーヒー畑は、畑というか森。自宅から凹凸の激しい轍の上でトラックを疾走させ、その荷台で揺さぶられること20分、恋しくなった地面に降り立つと、すかさず大型のヒルが嬉しそうに足元に寄り付き、頭上では「ワーンワーン」というグラスハーモニカのようなセミの鳴き声が出迎えてくれる、野性味溢れる土地に点在しています。


不思議とヒルに食われている様子もなく、畑を目指してサンダルで勝手知ったる森を歩きまわるジョンさん。道すがら、突如視界から姿を消し、斜め前方の地面にしゃがみこんだかと思うと、他人の土地で勝手にキノコを採取して大はしゃぎ。お気に入りの木の前で「写真撮ってー」とポーズを取るかわいい一面もある一方、集合写真ではよそ見に終始し、おおらかで飾るところのない気質が魅力のお方です。

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店長ブログ

こんにちは!店長の福島です。
この日記では、ネットショップのこと、商品のこと、商品の背景にあることなど、さまざまなことを書いていきます。疑問に思ったことなどを取り上げ、調べたことなども書く予定です。
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